間質性膀胱炎
間質性膀胱炎をあきらめない
間質性膀胱炎、頻尿・尿意切迫症候群、過活動膀胱症候群について
頻尿・尿意切迫症候群とは
尿流動態検査で排尿筋過活動が疑われる症状だが、原因となる感染や何らかの疾患が証明されない場合をいう。
ひらたく言い換えると原因不明の頻尿、尿意切迫ということになります。
間質性膀胱炎=過活動膀胱症候群
膀胱鏡でのハンナー潰瘍もしくは点状出血と膀胱部の痛みもしくは尿意切迫感。
いいかえると、膀胱を拡げる(尿がたまる)と膀胱が出血する、もしくはその形跡がみられることと、痛みを伴うということです。 間質性膀胱炎と過活動膀胱症候群は同じ病態を欧米と欧州それぞれ違う呼び方をしていたことで、日本では同じ病態に二つの病名がでてきてしまいました。
原因 不明
病名 頻尿・尿意切迫症候群・間質性膀胱炎・過活動膀胱症候群
概念 原因が良く分からない頻尿・尿意切迫感
治療 効果は一時的ですが膀胱水圧拡張術を行う
したがって、頻尿・尿意切迫症候群のなかに間質性膀胱炎、過活動膀胱症候群が含まれるという分類になります。
しかしこの分類も原因不明のため今はまだはっきりせず、数年でころころと変わってしまうようです。
こんな症状やお悩みは、ありませんか?
- 膀胱が痛い、排尿時や排尿後に下腹部や尿の出口付近が痛い。
- 尿があまり溜まっていないのに尿意を感じる。夜中に何度もトイレのために起きてしまう。
- 性交時、性交後に痛みがある。
- 膀胱炎が治りにくい。繰り返す。
- 尿が急にしたくなって我慢できない。いつもトイレを気にして生活している。
間質性膀胱炎に原因はある!その原因にアプローチ。
間質性膀胱炎は原因不明のため、これといった決め手となる薬がありません。
薬はありませんが、「治療法がない」ということではありません。
「えびでんす」では2007年の開院以来多くの泌尿器系の病気と診断された患者さんを治療させていただいてきました。17年以上の豊富な経験から、治療効果も上がってきています。「えびでんす」にいらっしゃる間質性膀胱炎の患者さんの多くは病院に行っても「間質性膀胱炎」と診断されて薬を飲んでも手術をしても改善しなかった方々です。
鍼をつぼに用いて膀胱をやわらかくしていくことで症状を緩和します。 さらに、鍼灸治療では体の元気を回復させる効果もありますので、再発のしにくい体に変わっていくのです。
「間質性膀胱炎診療ガイドライン」という書籍には、間質性膀胱炎に対する鍼の効果についての記述は以下のようになっています。「有効性は低く、無効とする証拠の方が高い。副作用はほとんどなく、外来で治療できる。」 また「プラセボ(偽薬効果)が大きい。」しかし当院の鍼治療は間質性膀胱炎に特化しプラセボではなく根本から治すことを目的として治療を行いますので鍼治療をしたけど効果がなかったという方でも是非一度お試しください。
はり治療だけでなく、頭蓋骨の整体、背骨の整体、運動を適宜組み合わせることで、自律神経を正常な方向へ導き、患者さん一人一人にその時時に合わせた最適な治療を提供していきます。治療頻度は基本的に一週間に一回です。
なぜ、週に一回の治療でいいのか?
自律神経を調整すると、自己治癒力により数日身体の変化が続きます。変化が収まってから、次の治療をすることが理想と考えています。
何回で治りますか?
正直に申し上げると聞かれても判りません。何回の治療で治るかは人によって全く違います。人の体はそれぞれ全く違うものなのです。1回で良くなる人もいれば20回の人もいます。人は生まれ持った遺伝的な違い、生活の習慣の違い、色々な要素が回復のスピードに作用しますので、何回の治療で治るかは分からないのです。
運動指導による再発防止
治療継続中に今はどんな運動をすれば、前立腺炎が回復するようになるかを適宜アドバイスしていきます。前立腺炎が完治したときには、どんな運動をしていれば再発しなか、しっかりと認識できるようになります。
治療スペースと同じ広さの運動スペース
運動は治療と同じくらい大切だと感じています。運動を一方的に伝えるだけでなく、運動の効果を感じていただくことができます。
手術を勧められている方、手術をしたけど元に戻ってしまった方、なにも治療法がないと悩んでいる方、是非一度えびでんすの前立腺炎治療を試してみてください。
間質性膀胱炎の治療例
病名 | 間質性膀胱炎、過活動膀胱 いくつかの病院へいったがはっきりしない。 |
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年齢性別 | 30才女性 |
症状 | トイレがちかい。 常に膀胱に尿がたまっている感じ。 常に膀胱に違和感がある。 尿意がありトイレに行っても少ししか尿が出ない。 トイレに行ってもすぐにまたトイレに行きたくなる。 |
今までの治療 | 2~3年前にも同じようなことがあり、病院で抗生物質と漢方で改善。 今回は3ヵ月前から3ヶ所の病院を渡り歩いているが、いっこうに治る気配がない。 |
当院での治療経過 | 1回目の治療後、数か月来院がなかった。 数ヵ月後の来院時に確認。前回の治療後からすごく楽になり、夜起きることなく眠れている。 |
間質性膀胱炎の診断基準 |
間質性膀胱炎は原因不明の病気なので確立した診断基準はありません。NIDDKによる間質性膀胱炎の基準は「研究上の基準」です。したがって、この基準にあてはまらないから間質性膀胱炎ではないということにはなりません。現時点では臨床的には診断の目安があります。 |
[参考] NIADDKによる間質性膀胱炎の基準選択基準(1と2の両方を満たす) 1. 膀胱鏡で点状出血もしくはハンナー潰瘍 2. 膀胱部の痛みもしくは尿意切迫感 除外基準 1. 無麻酔下の膀胱内圧検査で膀胱容量が350ml以上 2. 膀胱内圧検査で150ml注入時の尿意切迫感の欠如 3. 膀胱内圧検査で不随意収縮 4. 発症から9か月未満 5. 夜間排尿の欠如 6. 抗菌剤・抗コリン剤・筋弛緩薬による症状の改善 7. 昼間の排尿回数が8回未満 8. 3か月以内の細菌性膀胱炎・前立腺炎 9. 膀胱や下部尿管の結石 10. 活動性の性器ヘルペス 11. 子宮・膣・尿道のがん 12. 尿道憩室 13. サイクロフォスファミドまたは他の薬剤性膀胱炎 14. 結核性膀胱炎 15. 放射性膀胱炎 16. 良性または悪性の膀胱腫瘍 17. 膣炎 18. 18歳未満 |
間質性膀胱炎診断の目安 |
疑診項目 1.ひん尿(昼間10回以上) 2.尿意亢進・尿意切迫感 3.最大1回排尿量(200ml以下) 診断項目(1または2を満たす) 1.膀胱鏡で点状出血もしくはハンナー潰瘍 2.膀胱部の痛み 除外疾患・状態 過活動膀胱 膀胱、尿道の感染症 前立腺、膣の感染症 結核性またはBCGの膀胱炎 放射線性膀胱炎 膀胱がん 子宮、膣、尿道のがん 薬剤性の膀胱炎 |
間質性膀胱炎の西洋医学的治療 |
通常いくつかの方法を組み合わせて行います。完全に治癒することを目指すのではなく、症状の緩和、消失を目標にします。・水圧拡張 ・内服治療 抗うつ剤 抗ヒスタミン剤 ステロイド剤 Pentosan Polysulfate(Elmiron) Suplatast Tosilate(IPD) ・膀胱内注入療法 ・Transcutaneous Electrical Nerve Stimulation(TENS) ・外科的療法 ・膀胱訓練 ・その他 ・心理的サポート |
水圧拡張 | 水圧拡張は間質性膀胱炎の治療の第一選択肢である。これは診断と治療を兼ねている。終了後、1〜3週間は症状が悪化することがある。しかしその後50〜60%の症例で症状の緩解をみる。しかし効果の持続期間は1〜8か月で、何らかの追加療法、再度の水圧拡張が必要になる。 | |
内服治療 | 抗うつ剤 | 慢性的な痛みやひん尿、それに伴う睡眠不足、治療による改善がみられない不安により精神的に抗うつ状態になることがある。抗うつ剤は痛みの域値を高め、睡眠導入を助ける働きがあり、それらの症状を改善させることがある。軽傷例では効果を認められるが、重症例では抗うつ剤のみでは効果を認められない。 |
抗ヒスタミン剤 | 間質性膀胱炎の症状発現に肥満細胞がかかわっているとされている。ヒスタミンは肥満細胞より遊離し、痛みの惹起や血管の拡張などの作用がある。このことを考慮すると間質性膀胱炎の症状の緩和に有効と考えられる。 実際は水圧拡張後の内服維持療法として使用することが多く、他の療法との併用薬・維持薬として位置づけている。 |
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ステロイド剤 | ステロイド剤の抗炎症効果を期待することと、間質性という名前が自己免疫疾患を思い起こさせることから用いられるが、現在はほとんど使われていない。 | |
膀胱内注入療法 | へパリン | へパリン1万単位を10mlの生理食塩水に溶かして膀胱内へ注入する。最初は連日から週3〜4回、3〜4か月継続する。可能であれば12か月続ける。効果が出るまでに1年かかることもある。 |
TENS | 電気刺激療法 | 恥骨上部で恥骨結合付近に10cm程度離して電極を置く。治療時間は0.5〜2時間を日に2回、毎日行った方がよい。痛みの軽減に効果があるが、間質性膀胱炎の治療としては一般化していない。他の療法と併用されていることが多く評価が困難である。 |
外科的療法 | 間質性膀胱炎が進行し萎縮膀胱となってしまった例に対し、膀胱拡大術や膀胱摘出術が行われている。しかし、膀胱拡大術後も切迫感や疼痛は続くこともあり、適応は慎重に検討すべきである。 | |
膀胱訓練 | 排尿を我慢して少しずつ膀胱を広げるトレーニングである | |
その他 | ||
心理的サポート |
間質性膀胱炎の症状スコア 間質性膀胱炎の問題スコア |
間質性膀胱炎の症状は多彩で変動があります。それをより客観的にとらえることを目的として、「間質性膀胱炎の症状スコア」「間質性膀胱炎問題スコア」「膀胱の痛みと尿を我慢できない感じの質問」があります。スコアが高いから間質性膀胱炎、低いから間質性膀胱炎ではないというものではありません。 |
間質性膀胱炎の症状スコア |
問 1. この1か月の間に、急に我慢できなくなって尿をすること が、どれくらいの割合でありましたか 0._全くない 1._5回に1回の割合より少ない 2._2回に1回の割合より少ない 3._2回に1回の割合くらい 4._2回に1回の割合より多い 5._ほとんどいつも 質問 問 2. この1か月の間に、尿をしてから 2 時間以内に、もう一度 しなくてはならないことがありましたか 0._全くない 1._5回に1回の割合より少ない 2._2回に1回の割合より少ない 3._2回に1回の割合くらい 4._2回に1回の割合より多い 5._ほとんどいつも 問 3. この1か月の間に、夜寝てから朝起きるまでに、ふつう何 回、尿をするために起きましたか 0._0 回 1._1 回 2._2 回 3._3 回 4._4 回 5._5 回かそれ以上 問 4.この1か月の間に、 膀胱や尿道に痛みや焼けるような感 じがありましたか 0._全くない 2._たまに 3._しばしば 4._だいたいいつも 5._ほとんど常に |
間質性膀胱炎の問題スコア |
この 1 か月の間では、以下のことはどれくらい問題でしたか 問 1.昼間に尿の回数が多いこと 0._問題ではなかった 1._ほんの少し問題であった 2._少し問題であった 3._問題であった 4._とても問題であった 問 2. 夜間尿をするために起きること 0._問題ではなかった 1._ほんの少し問題であった 2._少し問題であった 3._問題であった 4._とても問題であった 問 3. 急に尿を我慢できなくなること 0._問題ではなかった 1._ほんの少し問題であった 2._少し問題であった 3._問題であった 4._とても問題であった 問 4. 膀胱や尿道の焼けるような感じ、痛み、不快感、圧迫感 0._問題ではなかった 1._ほんの少し問題であった 2._少し問題であった 3._問題であった 4._とても問題であった |
膀胱の痛みと尿をがまんできない感じの質問 |
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問 1.平均して、膀胱の痛みはどれくらいでしたか?
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