
慢性前立腺炎
慢性前立腺炎

日本の病院では現在、慢性前立腺炎、慢性骨盤痛は1999年にアメリカの国立衛生研究所(NIH)が作成した分類に従って診断しています。
前立腺の炎症が急性か慢性の分類、細菌性か非細菌性の分類、炎症性か非炎症性の分類、その他。これらを掛け合わせて4つに分類します。そしてこの4つの分類のどれに当てはまるかを調べるために尿検査をします。尿の中に白血球や細菌があるかないかを確認し、その状況により4つのカテゴリーのどれかが判明し診断されます。どのカテゴリーかが判明したらそのカテゴリーに則した薬が処方されます。
下方に分類、薬を詳しく記載してあります。
こんな症状やお悩みは、ありませんか?
- 会陰部(えいんぶ)が痛む、違和感がある
- 残尿感がある、尿がしっかりでない、尿が二つに割れる
- そけい部が痛む
- 下腹部が痛む
- 頻尿、夜尿が多い
えびでんす独自の「慢性前立腺炎治療」
「えびでんす」にいらっしゃる慢性前立腺炎の患者さんの多くは病院に行っても「慢性前立腺炎」と診断されて薬を飲んでも改善しなかった方々です。
「えびでんす」では2007年の開院以来多くの「慢性前立腺炎」「前立腺痛」「慢性骨盤痛症候群」と診断された患者さんを治療させていただいてきました。10年以上の豊富な経験から、治療効果も上がってきています。
はり治療だけでなく、頭蓋骨の整体、背骨の整体、超音波治療、運動を適宜組み合わせ、患者さん一人一人にその時時に合わせた最適な治療を提供していきます。
「何回で治りますか?」という質問をお受けますが、正直に申し上げると聞かれても判りません。何回の治療で治るかは人によって全く違います。人の体はそれぞれ全く違うものなのです。1回で良くなる人もいれば20回の人もいます。
人は生まれ持った遺伝がちがい、おなかの中にいるときの頭への負荷が違い、生活の習慣が違います。これらのことは全て病気や治癒力に関わってきますので、何回の治療で治かは分からないのです。
しかし、適切な治療で改善を積み重ねていくことで慢性前立腺炎の患者さんが多く改善しています。
手術を勧められている方、手術をしたけど元に戻ってしまった方、なにも治療法がないと悩んでいる方、是非一度えびでんすの前立腺炎治療を試してみてください。
慢性前立腺炎が治った患者さんからのお言葉
慢性前立腺炎・慢性骨盤痛の治療例-32
病名 | 慢性前立腺炎 |
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年齢 | 32才 |
症状 | 一年前より下腹部、会陰部、太もも、足裏に痛み、しびれがでる。 胸の痛み。 とくに夕方から夜に症状が強くなる。 |
今までの治療 | 一年前に排尿時の痛みが気になり病院へ行く。 慢性前立腺炎と診断される。 抗生剤を処方され2か月服用した。 変化があったり、なかったりでその後服用をやめた。 別の病院へ行くも治療、症状ともに変わらず。 尿検査でも異常は認められなかった。 |
当院の治療経過 | 2回目の治療(1回目より1週間) 痛みが7割減少した感じ。 3回目の治療(2回目より1週間) 下腹部が気にならなくなった。上半身の違和感が強くなる。 4回目の治療(3回目より1週間) 上半身の違和感が軽くなっている、足先のしびれはあるが軽い。 5回目の治療(4回目より1週間) ほとんど気にならない。陰茎の痛みは一度あったかな??という程度。 6回目の治療(5回目より4週間) ほとんど気にならない。痛いということはない。 7回目の治療(6回目より4週間) 調子よく何も感じていない。 |
慢性前立腺炎の原因を考える
病院に行って慢性前立腺炎の検査といえば、上記の分類を行うため前立腺液の中に白血球、細菌があるかないかで細菌があれば細菌に対して抗生物質が処方されます。細菌がなければこの病気に対しての確立した治療法はなく後は手探りの治療になります。慢性前立腺炎の90%が非細菌性という統計があります。従って、慢性前立腺炎≒非細菌性ということになるにもかかわらず確立した治療法がないのです。病院で慢性前立腺炎と診断された患者様はだいたい複数の病院を受診しているのです。ある病院で慢性細菌性前立腺炎と診断されると、抗生物質を処方されます。すると、細菌は一か月も経過すれば抗生物質のおかげでいなくなります。これで痛みが取れる場合はいいのですが、薬の服用を止めると痛みが再発したり痛み以外の症状が残ったりする場合が多くあります。その場合に同じ病院へもう一度行くと「もう菌は検出されないので治っています。」「気にしすぎです。」と言われるので他の病院へ行くことになります。
すると今度は検査で細菌はいませんので慢性非細菌性前立腺炎と病名が変わります。そして最初に行った病院ではこれを「慢性細菌性前立腺炎が治った」と表現するのです。次に行った病院では「慢性非細菌性前立腺炎の患者様が来院された」と表現します。そうすると、統計で10%と計上される慢性細菌性前立腺炎の患者さんの多くは慢性非細菌性前立腺炎でもあるということになります。そうなると慢性前立腺炎についてはほとんどの場合確立した治療法がないということになります。
慢性前立腺炎の検査ですが、前立腺液に細菌、白血球があることが診断基準となります。白血球が健康な人の前立腺液に含まれていることが既に明らかにされている研究もありますので、白血球が問題ではない可能性が高いのです。次に尿量の検査ですが、尿量が少ないと利尿薬を処方されます。効果は人により様々で「楽になった気がする。」「全く変わらない。」などが聞かれます。しかし、これで治ったとは聞きません。
従って、慢性前立腺炎になると今の西洋医学ではほとんどの場合治療法がないのです。「治療法がないなんて今の医療であるの?」と思うかもしれませんが、こういう病気は他にもあります。
例えば、身近な病気でいうと腰痛です。腰が痛くて病院に行くと痺れを確認してレントゲン、MRIなどで画像診断、ヘルニアや骨の病気など他の病気の疑いがなければ「腰痛症」と診断されます。この場合は湿布、塗り薬を処方されて「腰痛は多いですから、長く付き合いましょう。使いすぎには注意してください。」と言われてしまうのです。しかし、痛みが取れなければ街の接骨院やマッサージに通うこともあると思います。それでもなかなか治らない場合もあり「腰痛は持病」という結論に達してしまいます。
その結論に満足しない方は色々な病院や治療法、治療院を探し治癒する場合があるのです。
慢性前立腺炎も同じできちんとした治療をすれば治ることも多いです。なぜ治らないかを考えてみてください。慢性前立腺炎の検査は細菌と白血球、尿量の検査だけです、以前からあまり効果が見られないにも関わらず変化がありません。人の細胞は約60兆個でそのうち1兆個が一晩で代謝します、体重60kgの人なら1kgが代謝する計算です。それにもかかわらず、年以上経っても症状が少ししか変化しないっておかしいと思いませんか。原因は他のところにあると考えてもいいのではないでしょうか。
最近の研究で、慢性前立腺炎の患者の前立腺組織から大腸菌のDNAが検出される事が多いとわかってきました。大腸菌は、健康なヒトの大腸内に生息しています。多くの種類があり、腸管出血性大腸菌O157などのように、ある種の大腸菌はヒトに下痢、腹痛などといった病気を起こします。慢性前立腺炎の患者様の症状をみると、前立腺組織の中にみられる大腸菌は前者であると推測します。すると本来大腸の中にしかいないはずの大腸菌がなんらかの形で前立腺に集まってしまったと考えられるのです。
まず、なぜ本来腸内にしかないはずの大腸菌が体内に吸収されているかという問題ですが、これは「西原克成先生著 究極の免疫力」という本に記載されています。腸は37度〜38度の間で正常に動きます。しかし、温度が低下してくると腸から大腸菌を吸収してしまうのです。次に、なぜ前立腺に集まるかという問題です。これは腸で吸収された大腸菌は血液の中に入るので、血液によって全身に大腸菌がばらまかれることになるのです。血管は頭から、指先、内蔵まで全身くまなくありますので前立腺にまで及ぶのです。それでも、人には免疫機能がありますので白血球が大腸菌を殺してくれるはずですが、その免疫機能も温度に依存しているのです。白血球の活動も37度ぐらいの温度がないと正常、活発に活動しないので、腸の温度が低い人は当然血液の温度も低いので大腸菌を殺しきれません。そして、人それぞれの生活習慣により一番血行の悪いところで、血管から体の組織の中に出た大腸菌が溜まってしまうのです。
大腸菌が溜まってしまうと、人体を構成する細胞の活動が阻害されてきます。細胞は常に活動しエネルギーを作っていますが、基本的にその活動には栄養と酸素が必要です。大腸菌はその栄養と酸素を横取りし細胞の活動を低下させてしまいます。細胞の活動が低下すれば、細胞が集まってできる組織、器官の機能障害が出てくるのは当然のことです。前立腺に集まってしまえば、前立腺の痛み、尿の勢いが弱いなどの症状が出てきます。前立腺にそのような症状が出るという人はその周囲の血流が悪いので近くにある膀胱も機能が障害され頻尿、残尿などの症状もでてくるのです。
これらのことから、何をすれば慢性前立腺炎に対して効果があるのかが解ります。前立腺の細胞にきちんと酸素と栄養を与えて、体温を上げればいいのです。前立腺に酸素を与えるには、正常に作用する肺が必要です。さらにそれらが、しっかり前立腺にとどく道筋、血流が必要になります。血流がよくなれば栄養も運ぶことができますが、栄養は口から食べもので摂らなくてはいけません。そして、体温を上げることで、内臓がそれらをしっかり消化、吸収できるのです。最近は骨盤内の血流にかなり目が向けられてきました。エコー検査などで血流を検査している泌尿器科も多いようです。
鍼灸治療により前立腺周囲の血流が改善されます。また、それだけでなく肺の動きを整えて酸素を多く取り込めるようになります。血液は酸素を多く含むと明るい赤になります、逆に酸素が少ないと暗い赤になるのですが、生理中の女性は、鍼灸治療後、出血の色が変化するほどです。さらに、鍼灸治療では副交感神経(寝ているときに強く働く神経)を強くする作用もあるので、内臓の調子を整え、深い眠りを導きます。慢性前立腺炎の場合、この病気になるまでに相当の疲労が体に溜まっているので一回で治ることはたまにしかありません。しかし、食生活の改善や鍼灸治療を半年〜1年程度続けていくことで治ることが多いのです。
慢性前立腺炎・慢性骨盤痛の分類 |
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慢性前立腺炎の薬 |
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お薬110番 http://www.jah.ne.jp/~kako/ |
慢性前立腺炎症状スコア(NIH-CPSI) |
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慢性前立腺炎の症状を客観的に評価する指標として1999年にNIH-CPSI (National Institutes of Health – Chronic Prostatitis Symptom Index)があります。 NIH-CPSIは診断を目的とした症状スコアではありません。 つまり、NIH-CPSIの点数が低いから慢性前立腺炎ではないとか、高いから慢性前立腺炎であるというわけではありません。症状をNIH-CPSIにより数値化することで慢性前立腺炎の治療効果の判定に用います。治療毎に慢性前立腺炎症状スコアを記入していただくことにご協力をお願いしております。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
慢性前立腺炎症状スコア(NIH-CPSI)
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国際前立腺症状スコア(IPSS) |
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前立腺肥大症の症状を点数化するものです。慢性前立腺炎において尿における症状の把握に有効な部分があります。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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慢性前立腺炎の痛みの評価方法 |
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患者さんが抱えている痛みを的確に評価することは、治療効果を判定する上で不可欠と言えます。痛みは患者さん個人の感覚ですから、先入観や心理的な要因が複雑に関与しています。従って痛みを客観的に評価することは非常に大変なことです。 最近、病院などで最も広く用いられている痛みの評価法にVisual Analogue Scaleがあります。頭文字をとってVASと呼んでいます。VASは長さ10cmの黒い線(左端が「痛みなし」、右端が「想像できる最高の痛み」)を患者さんに見せて、現在の痛みがどの程度かを指し示してもらいます。左端からの距離がVASの値となります。 |