【2024.09.18】
[ 原因、診断、薬 ][ 慢性前立腺炎 ]
慢性前立腺炎の徹底ガイド
- ◉ 慢性前立腺炎の基本情報
- 慢性前立腺炎とは
- 前立腺の役割
- 慢性前立腺炎の種類
- ◉ 慢性前立腺炎の症状
- 頻尿や排尿困難
- 下腹部や会陰部の痛み
- 性機能の低下
- ◉ 慢性前立腺炎の原因
- 細菌性慢性前立腺炎
- 非細菌性慢性前立腺炎
- ストレスとの関連
- ◉ 慢性前立腺炎の診断方法
- 尿検査
- 前立腺マッサージ
- 画像診断
- ◉ 慢性前立腺炎の治療法
- 薬物治療
- 生活習慣の改善
- 物理療法
- ◉ まとめ
慢性前立腺炎の基本情報
慢性前立腺炎とは
慢性前立腺炎は前立腺の長期的な炎症で、多くの男性に影響を多く与える病気です。前立腺は男性の生殖器系の一部で、尿や精液の流れを調整する役割があります。慢性前立腺炎は、細菌感染やその他の要因によって引き起こされる可能性があり、症状は人によって異なります。一部の男性は軽度の症状しか経験しない一方で、他の男性は日常生活に支障をきたすほどの強い痛みや不快感を経験する可能性があります。慢性前立腺炎は、適切な治療と生活習慣の改善によって症状を管理することができます。
前立腺の役割
前立腺は男性の生殖器系の一部で、尿や精液の流れを調整する役割があります。前立腺は、精液の成分の一部を分泌し、精子の運動性を高める役割も担っています。また、前立腺は尿道を取り囲んでおり、尿道が閉じてしまうのを防ぐ役割も果たしています。
慢性前立腺炎の種類
慢性前立腺炎には、細菌性と非細菌性の2種類があります。細菌性慢性前立腺炎は、細菌感染によって引き起こされます。非細菌性慢性前立腺炎は、細菌感染が原因ではない慢性前立腺炎です。非細菌性慢性前立腺炎の原因は完全には解明されていませんが、骨盤底筋の緊張、神経系の異常、免疫系の異常などが関与していると考えられています。
慢性前立腺炎の症状
頻尿や排尿困難
慢性前立腺炎の患者は頻繁にトイレに行く必要があります。また、排尿時に痛みを伴うこともあります。排尿が途中で止まってしまう、尿が出にくいなどの症状もみられます。これらの症状は、前立腺の炎症によって尿道が狭くなることが原因と考えられています。
下腹部や会陰部の痛み
下腹部や会陰部に持続的な痛みを感じることが一般的です。痛みは、鈍い痛み、鋭い痛み、締め付けられるような痛みなど、さまざまな種類があります。痛みは、排尿時や性交時に悪化する傾向があります。
性機能の低下
慢性前立腺炎は勃起不全や射精時の痛みなど、性機能に影響を与えることがあります。前立腺の炎症によって、精液の成分や精子の運動性に影響が出る可能性があります。また、性交時の痛みによって、性欲が減退することもあります。
慢性前立腺炎の原因
細菌性慢性前立腺炎
尿路感染症や性行為を介して細菌が前立腺に入り込むことで起こることがあります。細菌が前立腺に感染すると、前立腺が炎症を起こし、慢性前立腺炎を引き起こします。
非細菌性慢性前立腺炎
細菌が検出されない場合、このタイプの前立腺炎と診断されることがあります。原因は不明とされることが多いです。しかし、骨盤底筋の緊張、神経系の異常、免疫系の異常などが関与していると考えられています。
ストレスとの関連
ストレスが慢性前立腺炎の症状を悪化させる要因の一つとされています。ストレスによって免疫力が低下したり、自律神経のバランスが崩れたりすることで、前立腺の炎症が悪化する可能性があります。
慢性前立腺炎の診断方法
尿検査
尿を検査することで細菌の存在を確認し、原因を特定します。尿検査では、白血球や細菌などの異常な成分が検出されることがあります。
前立腺マッサージ
直腸を通じて前立腺のマッサージを行い、前立腺液を採取して検査します。前立腺液には、白血球や細菌などの異常な成分が含まれていることがあります。
画像診断
超音波やCTスキャンなどで前立腺の状態を詳細に確認します。画像診断では、前立腺の腫れや炎症の程度を評価することができます。
慢性前立腺炎の治療法
薬物治療
抗生物質や鎮痛薬、α1ブロッカーなどが使われます。抗生物質は、細菌性慢性前立腺炎の治療に有効です。鎮痛薬は、痛みを軽減するために使用されます。α1ブロッカーは、前立腺の筋肉を弛緩させることで、排尿をスムーズにする効果があります。しかし、当院に来院される方のほとんどが、薬をやめると症状がぶりかえしたり、薬が効かなかったとういう方ばかりです。
生活習慣の改善
バランスの取れた食事や定期的な運動、ストレス管理が推奨されます。食事では、野菜や果物を多く摂取し、脂肪分の多い食事は控えるようにしましょう。病気のストレスで食欲がおちている方も多いです。無理して食べることよりも、体調を整えることが一番重要です。運動は、血行を促進し、免疫力を高める効果があります。どのような運動をすることが大切なのかは人により違いがあります。ストレスは、慢性前立腺炎の症状を悪化させるため、ストレスを解消できる方法を見つけることが大切です。当院では多くの治療経験より、どのような運動が必要なのか、ストレスの解消とは具体的に何をすることなのか、しっかりとおつたえさせていただきます。
物理療法
理学療法や温熱療法が痛みや炎症を軽減するために利用されます。理学療法では、骨盤底筋のストレッチやマッサージを行うことで、痛みや排尿の症状を改善することができます。温熱療法は、温めたタオルや温水などで前立腺を温めることで、痛みや炎症を軽減することができます。当院では鍼治療を中心にストレッチやマッサージ、運動を組み合わせて治療をおこなうことで、高い効果をめざしています。
まとめ
慢性前立腺炎は生活の質に大きな影響を与える病気ですが、正しい情報と適切な治療法を知ることで改善が見込めます。慢性前立腺炎の治療は、薬物療法、生活習慣の改善、物理療法など、さまざまな方法があります。自分に合った治療法を見つけるために、症状にたいする自分の感覚をしっかりもちましょう。